大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)581 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人三浦強一、同合路義樹の上告理由第一点について。

原判決の確定する事実によれば、被上告人、訴外D、同Eの三名は共同して本件

土地でアイスケーキ製造販売業を営むことを約し、この共同事業の用に供する目的

で本件土地を買受けることとなつたが、「本件土地については、前記の通り控訴人

が借地権を有しており、これを買受ければ時価に較べて割安に取得できる関係にあ

つたので控訴人がその買主となることになり、(中略)Fは右代金四万五百円を前

示共同事業に対する出資金としてEを通じて控訴人に交付し、控訴人は同年四月初

頃これをGに支払つて本件土地を買受け、これを右共同事業の用に供することにな

つた。そして控訴人はFより受取つた右出資金を本件土地の買受代金として使用し

たことを明らかにするために、Gより受取つた領収書二通をEを通じてFに交付し

た。」(文中控訴人とあるは被上告人である。以下同じ)というのである。してみ

れば本件土地所有権は、その登記関係の経緯の如何にかかわりなく、一個の組合た

る右共同事業の組合財産となり右三名の共有に帰したものと認めるのを相当とする。

ところで原判決はさらに進んで、右共同事業は失敗に帰したので、被上告人、F、

及びH(Fに対する債権者)の三名は整理を目的とする判示のような協議に達し、

「Fは右債務引受の代償として同人の前示出資金四万五百円で控訴人において買受

けた本件土地が完全に控訴人の所有に属することを認め控訴人に対し右出資金の返

還を請求しない」旨の契約が成立したと認定しているから、前記組合契約の一員た

る訴外Dは、本件土地の共有関係についてその持分を放棄し、被上告人の単独所有

に帰することを承認した趣旨を判示したことにほかならない。さらにまた原判決は、、

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組合契約の他の一員たる訴外Eとの関係について、「一方共同事業者の一人であつ

たEは、、共同事業解消後も引続いて本件土地上の家屋に居住していたので控訴人

は同人に対し同年十月以降三年間本件土地の無償使用を許し、同人も本件土地が控

訴人の所有に属することを承認した」と認定しているから、右Eも本件土地の共有

関係についてその持分を放棄し、被上告人の単独所有に帰することを承認した趣旨

の判示にほかならない。従つて原判決は行文上やや足りないところはあるが、その

結論とする本件土地が被上告人の単独所有権に帰したという判断になんら誤りはな

く、理由不備又は理由にくいちがいがあるという非難はあたらない。

同第二点について。

所論は、本件土地所有権が被上告人に帰属するに至つた原因について合理的理由

を欠くと主張するが、結局原審の適法になした証拠の取捨判断ないし事実の認定を

非難するに帰する。そして原判決挙示の証拠によれば、被上告人は昭和二二年四月

初頃判示共同事業を営む組合のため、訴外Gから本件土地を買受けたことを認める

に十分であり、甲第一号証(売渡証)の日附が昭和二二年一〇月一五日とあるのは、

登記のために作成したものであることを推認するに難くないから、前後の関係につ

いて判示になんら不合理を認めることはできない。

同第三点について。

所論は、原審が、被上告人は所論の承諾を与えた事実はないと認定したことを非

難し、異なる見解を主張するにすぎず、採用することはできない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 小 林 俊 三

裁判官 島 保

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裁判官 河 村 又 介

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

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